はじめに
環境にやさしいエネルギーの代表格であるバイオマス発電。これは植物性の有機物（バイオマス）を原料にして発電を行う方法で、二酸化炭素の排出量を大幅に削減すると共に、持続可能なエネルギー供給を可能にします。その取り組みが評価されているのが、中南米の小国、コスタリカです。
コスタリカのバイオマス発電事情
コスタリカは、その国土の25%以上を国立公園や自然保護区として保護している環境先進国。そのコスタリカが、バイオマス発電に力を入れている理由は、二酸化炭素の排出量削減と、持続可能なエネルギー供給の確保にあります。
バイオマス発電のメリット
バイオマス発電の最大のメリットは、再生可能なエネルギー源であることです。植物は光合成により二酸化炭素を吸収し、成長します。その植物を燃やすことで発電を行うため、一部の二酸化炭素は再度植物に吸収されるという、炭素循環が成立します。これにより、バイオマス発電は化石燃料に比べて二酸化炭素の排出量を大幅に削減することが可能です。
バイオマス発電のデメリット
しかし、バイオマス発電にはデメリットもあります。バイオマス発電に用いる植物の生育には時間がかかります。また、大規模なバイオマス発電を行うためには、それに見合うだけの広大な土地が必要となります。これらの問題を解決しながら、バイオマス発電を推進していくことが求められます。
コスタリカのバイオマス発電の取り組み
コスタリカは、バイオマス発電の推進に当たり、以下のような取り組みを行っています。
1. 持続可能な農業の推進
コスタリカでは、バイオマス発電に用いる植物の生産を持続可能な方法で行うことを推進しています。これにより、バイオマス発電に必要な土地の確保と、その維持を両立させています。
2. バイオマス発電設備の導入
コスタリカでは、高効率のバイオマス発電設備を導入することで、発電効率を高め、発電量を増やすことを目指しています。これにより、バイオマス発電のデメリットである、発電量の少なさを補っています。
3. 二酸化炭素排出量の削減
バイオマス発電は、二酸化炭素の排出量を削減する効果があります。コスタリカでは、この特性を活かし、二酸化炭素排出量の削減を図っています。これにより、国際社会からの評価を得ています。
コスタリカのバイオマス発電の成果
コスタリカのバイオマス発電の取り組みは、以下のような成果を上げています。
1. 再生可能エネルギーの割合の向上
コスタリカは、2019年には全電力供給の約98%を再生可能エネルギーで賄うことに成功しました。これは、バイオマス発電の他に、水力、地熱、風力などの再生可能エネルギーの導入によるものです。
2. 二酸化炭素排出量の削減
バイオマス発電の推進により、コスタリカは二酸化炭素の排出量を大幅に削減することに成功しています。これにより、国際的な評価を得ています。
まとめ
再生可能なエネルギー源であるバイオマス発電。それを推進することで、コスタリカは二酸化炭素の排出量削減と、持続可能なエネルギー供給の確保を実現しています。日本もまた、バイオマス発電を含む再生可能エネルギーの活用を進めることで、持続可能な社会の実現を目指すべきでしょう。
